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2008-08-08

統計のマジック

CNetの記事より
出会い系サイト関連事件、2008年上半期は減少--警察庁調査
http://japan.cnet.com/marketing/story/0,3800080523,20378573,00.htm

だそうだが、ちょっとこの報告書は胡散臭い。とても作為的なものを感じる。その理由は以下の通りである。

まず第一に、事件の検挙件数や犯罪被害に遭った児童数について言及しているが、事件や被害がどのようなものであったかを記載していない点はいただけない。それが強制わいせつなのか、痴情のもつれなのか、はたまた詐欺的なものなのか。どんなものもひっくるめて「出会い系サイト関連事件」としてしまうのはあまりにも乱暴ではないか。

次に、どの程度出会い系サイトが関係していたかという基準が明記されていない。出会い系サイトで出会ったその日に強制わいせつが発生した、などというシチューエーションならば明らかに関連していると言えよう。しかし、出会い系サイトで出会った男女が恋仲になり、一年後に痴情のもつれで殺人事件に発展したというようなケースでは明らかに出会い系サイトは関係ないだろう。少しでも関連していれば「関連事件」などという基準ではないのかと疑ってしまう。

さらに問題なのか、出会い系サイト関連事件が本当に問題なのかどうかということである。以下のページにある「犯罪被害に関する統計」という資料を見てもらいたい。

法務総合研究所
http://www.moj.go.jp/HOUSO/
統計資料への直リンク
http://www.moj.go.jp/HOUSO/houso19/houso19-02-03.pdf

この資料によると、日本全国における事件全体の発生件数は数百万件にも上る。それに対して「出会い系サイト関連事件」の件数は1000件未満である。はたして「出会い系サイト関連事件」は本当に社会的な問題なのだろうか?

自分にはフィルタリングを正当化するためにこのような報告書を作成したとしか思えない。そして、フィルタリング法に断固反対派の俺は、このような報告書に反論せずにはいられない。

インターネットは自由であるべきであり、自由だからこそここまでのインフラに成長したのだ。これからも自由を守り通していかなければならない。

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